ビーズ屋黒猫Blog

何かを始めるのに覚悟って必要?

今、作品作りをちょっと中断して、1月にオンラインサロン夢の扉で私を紹介してくれるそうなので、その映像など作っていまして、それが出来上がるまで作品がない状態です。
それで、今日は作品紹介じゃないことを書こうと思います。

最近ある人の投稿で、なんだかとても心に引っかかって、それについてずっと考えさせられていたんですよ。
そして、やっと自分なりの答えが出たような気がしたので、それについて書きますね。

その方は自分のやりたいことが最近見つかって、とても喜んでいました。
そして、同業でずっと活躍されている方の作品を手にして、作品への思いや起業に関しての覚悟などを直接聞いて、とても感動したそうなんです。
でも、同時に自分は同じ道に進みたいと思って習い始めたけど、そこまでの決意や思い入れがあるんだろうか、自分はとても中途半端なんではないかと思い悩んでしまったそうなんです。

私はこの投稿を見たとき、物事に対してとても真面目な人なんだなと思うと同時に、違和感を感じました。
ずっと気になっていて、なんでこんなに気になるんだろうって考えていたんです。
そして、気が付きました。
私も覚悟を持ってワイヤージュエリーを仕事にしようと思ったわけではなかったんだよなって思ったんです。
気が付いたらお店を開いて教室をやっていたという感じですね。
私が習いたいと思ったときは、明日から「ワイヤージュエリー作家になるんだ!どんな苦難も乗り越えて行くぞ!」なんていう意気込みを持って習いに行ったわけじゃなかったなって。
ただ、本に載っているような作品が自分も作れるようになりたいっていうとても小さな願望だったと思います。
今は、作品を売る以上、「美しく、安全で喜んでもらえるものを作りたい」、教える以上、「ちゃんとした技術で、みんなに上手になってほしい」という気持ちでいます。
じゃあ、この気持ちはいつから生まれてくるんだろうって考えていました。

私の話をするより、祖母の話をしようかなと思います。
祖母は国の重要無形文化財でユネスコの無形文化財に指定されている越後上布という麻織物の織り子でした。
祖母の織った反物は京都の反物屋さんが来て卸したり、平成2年に国から71歳で表彰され、平成8年にはNHKからインタビューされたりと実績が認められた人でした。
でも、始めた動機は作家になりたいとか、機織りが好きだったとかではなくて、祖母が若いころは機織りができない女性は結婚できなかったので、当たり前にみんながやることだったんだそうです。
そして、若いころからずっと続けていたわけでもなく、戦時中、子供ができて、その子供たちが巣立ち、孫(私)がある程度大きくなるまで機織りはしていませんでした。
叔母は祖母が若い時に機織りをしているところ見たことはなかったそうです。
私の両親は共働きだったので、家事は主に祖母がやってくれていましたので、私たちが手がかからなくなるまで祖母の時間が取れなかったのでしょう。
そこから機織りを再開してお仕事をもらうようになったんです。
歳を取って目がよく見えなくなってくると麻のように細い糸は織れなくなりましたが、縦糸にミシン糸、横糸に細い毛糸でカラフルな織物を織るようになりました。
93歳で亡くなる当日まで機を織っていて、病院のベッドの上で、目をつむりながら空中で手を動かしていたそうです。
家族が「おばあちゃん」って声をかけると、目を覚まして、「機織りをしていたんだが・・・そうか、夢だったのか」っていうくらい、機織りをしていました。
晩年、祖母にとって機織りは生きがいだったんでしょう。
女性アナウンサーの来ている洋服の柄を見て、今年の流行をチェックして作品を作るような人でした。

以前祖母に「機織りは最初から好きだったの?」って聞いたことがあります。
返事は「好きも何も、これができないと嫁に行けなかったし、女の子はできて当たり前だったからね。でも続けているってことは好きだったのかな」って言ってました。
祖母の人生がそうであったように、ずっと継続して続けていく中で、技術を上げて自信をつけて、そして好きになり、天職といえるものになっていくんじゃないかと思うんです。
最初から自分のやりたいことを見つけてそれに向けて全力疾走できる人もいます。
そういう方は本当に羨ましいし、とても幸せなことだと思います。
早くに道を見つけて突き進んでいる人は、早く実力をつけるでしょう。
でも、そういう人は一握りの人じゃないでしょうか。
誰もが迷い自分に合うものが何か探しています。
つまり、まだ興味があるものが何かもわからない人はいっぱいいるわけです。
そんな中、やってみたいことが見つかったってことはとても幸せなことだと思いませんか?
同じ分野で自分より先を歩いている人を見て、自信を無くしても意味がないと思うんです。
だって、これから始めてみて本当に好きになるかどうかわかるのに、まだ始めて大してやってきていないのに、それほど好きかどうかもわからない、実力がないから恥ずかしいと思うのは、無駄な時間だと思うんです。
せっかく好きそうなことが見つかったんだから、楽しんで、本当に好きかどうか確認しないと。
好きでもないのに覚悟なんてできるわけがないと思うんです。
これから何かを始めようかどうしようか迷っている人は、軽い気持ちで始めて、楽しんだほうがいい。
やってみて、本当に面白いか続けていきたいか、始めてみないとわからないから。
興味があってやってみたけど、続かないなら、それはあなたの求めているものじゃないんですよ。
私はそんなものばっかりでしたよ。
「お前は何も続かない」って言われてました・・・
軽い気持ちで始めたのに、なんだかずっと続けていて、常に自分の人生に纏わりついているようなものが好きなものなんじゃないでしょうか。
だから、まずは固く考えずに始めてみて、楽しんだもの勝ちですよ♪

まだ考えたことを書きたいけど、これ以上長くなるので、次回の投稿にします。
祖母の越後上布の反物は写真を撮ってなくてないんですけど、こちらは晩年作っていた毛糸の織物です。
洋裁が好きな叔母が袋にしたりしていました。
ランチョンマットはお店でも使っています♪。

関連記事

  1. 猫とカーテンタッセル

  2. 23日 薔薇展の為、臨時休業

  3. メガネ留めでできるリング

  4. 自宅の模様替え

  5. 犬の歯を使った作品・・・ボツだよね~

  6. ハンマーでたたいてパーツを作る

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

アーカイブ

PAGE TOP