ワイヤーリングシリーズも37番まで来ました。
今回も穴なし石のリングです。
宝石でよくみられるファセットカット。
これをリングにしたいと思いますよね~。
ということで「穴なしのファセットカットの6本爪留めのワイヤーリング」を公開しました。
前の作品に比べて技術的にちょっと簡単なんですよね。
もっと早い段階で公開してもよかった作品ですね。
だんだん難しくなっていくはずのシリーズなのに、順番間違えちゃった。
でもこれは自信作なので、ぜひ作ってみてほしいです♪
このリングの特徴は、正面から見た時に彫金で作ったようなリングに見えるところです。
なぜなら、普通リングフレームに使ったワイヤーの処理がどこかでされているはずなんですが、このリングはすべて爪という形に変化しているので、どこかに巻き付けて終わらせる切り口の処理がないんですね。
これは結構画期的なんじゃないかと一人で思っています。
これを思いついたのは、彫金やるようになって、彫金のリングの作り方との違いを考えるようになったからかなと思います。
彫金で作るリングは石座にきちんと石をはまるように石座の内側を石がちゃんと入るように削って整えています。
さらに、爪はひとつづつ独立していて、石座にロウ付けされることで丈夫な爪ができます。
そして石留めは石を石座にはめて、ある程度安定して石が動きずらい状態にしておいて、爪を倒していきます。
一方ワイヤーで作る石座は、石を乗せることだけで石がきちんと座るように内側を斜めに削ったりすることが不可能ですので、爪を曲げて初めて安定します。
ワイヤーの爪は石座にロウ付けで固定することもできませんので、細いワイヤーで石座に巻き付けて固定しています。
独立した爪を作っても、石座に強度を保たせて固定することができません。
では、どのように爪を作っているかというと下の画像のように、ワイヤーを折り返して爪同士を連結させることで強度保っています。
だから、どうしても爪はワイヤー2本分になってしまうんですね。
でも、彫金で作ったリングみたいに1本の爪のほうが綺麗ですよね。
海外の作家さんでワイヤー切りっぱなしのリングを公開している人もいますが、あれはかなりワイヤー太いんですね。
石もかなり大きなものを使っているのでできますが、6㎜位だとあの太さのワイヤーを使うと、爪が主役になっちゃうので、使えません。
だったら、彫金みたいに石座にすっぽり入れて石が動かないようにしたら、爪が細くても固定できるんじゃない?って思ったんですよ。
そこで石の形に合わせた石座を作ってみました。
編み方も高さが一定になるような編み方は何がいいかなと考えて作り、そこに石を入れたら、すっぽり収まって、しかも石が動かないから爪が倒しやすいじゃないですか~。
次に爪の長さです。
石の淵から頂点の平らな部分にあまり多く爪が見えると綺麗じゃないですよね。
6㎜のファセットカットだと淵から1㎜くらいの爪だと綺麗だと思いますが、強度が心配だったんです。
作ってみたら石座にしっかり入っているので、ほんの少し引っ掛かっていれば石が動くことはありませんでした。
編む部分を少なくすれば、それだけ正面から見た時に編み部分が見えないので美しいのですが、細い爪のため、編み部分を少なくして爪の露出部分が増えると強度が落ちます。
ちょうど上から見た時にギリギリ見えないくらいの所まで編んで正面から見た時に爪だけ見えるような状態にするのがベストですね。
そんなに難しくないですし、綺麗なのでぜひ作って楽しんでほしいな~と思います。
この動画の後は、この爪を彫金の爪留めリングのように、切りっぱなしの所を丸みが付くように削るための道具をご紹介します。
道具をそろえるとそれなりの金額なっちゃいますが、ちょっとだけ試したい人のように、簡易的に使える100均の道具を紹介する予定です。
お楽しみに~♪。
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