月の雫という作品を作っていまして、先日出来上がりました。
人の目の中の瞳の部分が月になっていて、涙が流れているという作品です。
月そのものからあふれ出る雫と取っていただいてもいいですし、月を見上げて、瞳に月を映した状態で泣いているという風に解釈していただいたり、見る方が何か想像しながら見れる作品であったらいいなと思います。
さて、これはどのような工程で作っていったのか製作途中の状態を順番にご紹介しようと思います。
一番最初に月を作りました。
望遠鏡で見ないと見えないクレーターのある月を作ってみたくて、クレータのある月の写真を見ながらシルバーをたたいてクレーターを作ったり、放射線状に走る線があったりしたので、それもつけてみました。
次は睫ですね。
上睫と下睫をロウ付けしやすいように細いループ状にして作り、上睫は量も長さも必要なため、太さが違うワイヤーを重なるようにロウ付けしています。
下睫は上より細いワイヤーで作っています。
次はあふれ出る涙と雫の部分です。
別々に作って、それをワイヤーでロウ付けしてつないでいます。
雫の中にはキラッと光る水晶を入れようと思って、石座を掘っています。
全部出来上がった一番最後に石を入れます。
これを下睫に付けていきます。
これを付けるとき睫が邪魔だし、あふれ出るように雫が一直線ではなくて少し前に盛り上がるように曲げないとロウ付けできないので、形を作るのが難しかったですね。
ここまで出来たら今度は瞼の形を決めるため、上睫を仮止めして瞳がちゃんと入るかどうかなど確認しながら形を作っていきました。
上瞼の上には二重に見えるように二重の線を付けました。
まだこの時はつけただけで形を整えていません。
形が決まったところで、上睫と下睫を固定して、中央に月を入れました。
月の向きをどうするか何度も月の向きを変えて、写真を撮って一番自然に見える向きでロウ付けしています。
そして、二重の線を整えました。
上瞼の目頭の先に飛び出した線や二重の線を目の大きさに合わせてカットして整えて、ループ状だった睫はループを切って、一本一本やすりで削って尖らせてペンチで反らせていきます。
隣同士不自然に見えないようにくっつきすぎないよう調整しています。
裏側もループ状になって飛び出した部分を切って、平らになるように削っています。
そして月のクレーター部分はへこんで見えるよういぶし液で黒く変色させて、周りを磨いて輝かせます。
瞳は昭和の漫画によく見る星がキラキラしているような目になりました。
瞳は少し湾曲させていますので、光の当たり具合ではちょうど放射線状になっているところが光って、輝いているように見えるときがあります。
その状態を写真で写してみたかったのですが、写真撮影の腕がなくてできませんでした。
最後に水晶を入れて完成です。
石座は雫に埋まるように掘って作っていますので、水晶は飛び出していません。
この作品を作るときに簡単な目の大きさとイメージがぶれないようにするために絵を描いたんですが、大体それと同じ大きさになるように作りました。
その様子を動画で載せています。
見てみてください♪
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