狐面の脇に紐を取り付けて、額に飾ったら出来上がりです。
この狐面のタイトルは「狐面…狐の嫁入り花嫁用」
狐の嫁入りの花嫁専用のお面として作りました。
花嫁用ということで狐面のちょっと畏怖を感じる雰囲気を持ちつつ、どこか可愛らしく見えるようなものにしたいと思って、耳から目までをボタニカルな蔦やお花で飾ることにしました。
鼻はハートにしてみたのも可愛らしく見せるためです。
使った石はピン系でまとめ、中央はロードクロサイト、お花の中心はピンクエピドート。
どちらも愛情を深めたり、癒しを与えてくれるお嫁さんにはぴったりの石として選びました。
口周りはあまり装飾せずに、ひげをつけることで狐らしさが保てたかなと思います。
狐の嫁入りと聞いて何を思いますか?
お天気なのに雨が降っている現象を狐の嫁入りと呼ぶところもあるようですが、私の育った新潟県のそ地域ではその現象は天気雨と言っていて狐の嫁入りとは呼びませんでした。
その地域では狐の嫁入りは、夜、山に一定間隔で光が見えた時、狐の嫁入りが見えたと言っていました。
その現象が何なのかいまだに謎ですが、昔の人はそういうものを見た時に狐の嫁入りの行列で灯る提灯の光だと考えたんでしょうね。
その狐の持つ提灯が人間と同じものではなく、狐火だったかもしれません。
狐の妖怪と狐火は良く一緒に描かれることが多いですよね。
その狐火をイメージしたのが、額に付けた火の玉のようなデザインのモチーフです。
新潟県の阿賀町では狐の嫁入りのイベントは有名ですが、私の育った地域では狐の嫁入りは全くメジャーなイベントではなく、狐の嫁入りは山でまれにみる現象として民話みたいに子供のころに聞いていました。
そんなお話がベースになって生まれた作品です。
お面の目について思うことを書きたいと思います。
最初、目はスケルトンの目に合わせて目の中を全部くり抜こうかと思っていましたが、ご覧の通り、土台の目は黒目部分だけ切り取りました。
スケルトンマスクは、見た目がベネチアンマスクのような雰囲気です。
ベネチアンマスクは、目の白目も黒目も全部くり抜かれているものが多く、おそらく、顔に当てて人間の目がそこに入ることで表情が出来上がるようになっているのかなと考えます。
一方日本のお面は、黒目部分が穴が開いていて、白目は残っています。
白目部分が残っていると、瞳が見つめている方向がわかるので、お面だけ飾っていてもどこを見ているのか想像することができて、顔にあてなくても表情があるように見えます。
横から見ても、正面を見ているのがわかると思います。
仮面の目の作り方は日本人と西欧人の表情を読み取る時にどこを見るのかということとつながりがあるのかなと思っています。
コロナになって、マスクをすることに抵抗感が強かった西欧人のその理由が表情が読めないから怖いというものが多かったそうです。
西欧人は口元で表情を読むのでマスクをするとその表情がわからないからと怖く感じるというのをネットの記事で読んだ時、なるほど~文化の違いだね~って思った記憶があります。
日本人は目は口程に物を言うというように、口が笑っていても目が笑っていないとか、とにかく本当の気持ちは口ではなく目でわかるという考えなんでしょうね。
マスクするよりサングラスをしている人のほうが怖く感じる気がします。
日本人が付喪神のように物にも魂が宿ると考えたように、人をかたどった人形はもちろん喜怒哀楽を表せるお面にも表情を持たせるのは自然だったんだと思います。
だから、表情を表すのに必要な白目部分を残しているのかなと考えます。
今回の狐面も飾り面として表情のあるものにしたいと思って、黒目だけを抜きました。
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