ビーズ屋黒猫Blog

犬の牙ペンダント作成中

先日犬友達からお預かりしました犬歯、いわゆる牙ですが、その後いろいろ試行錯誤を重ねまして、ようやく形になりました。
今日は、試行錯誤した経過をご紹介します。

牙はお預かりする前に写真が送られてきていまして、4㎝くらいの長さがあることが分かっていました。
それを見ていろいろイメージしてみて、今回はワイヤーでラッピングは難しいと思っていました。
ワイヤーラッピングはワイヤー編んでいく途中で石をはさみながら仕上げていくことほとんどですので、どうしてもワイヤーと石の接触が多くなります。
石は固いので多少ワイヤーが当たるからといって傷がついたりしません。
しかし、今回は歯ですから、当然硬いワイヤーが当たれば傷になります。
さらにペンチで押さえたら最悪割れてしまう可能性もあるからです。
うーん・・・どうしたものか。
彫金で牙がぴったり入る枠を作ってその周りをふんわりワイヤーで巻くとかどうかなと思っていました。

受け取り当日、ご本人からどのようなものをイメージされているかお話を伺いました。
すると、アンモナイトの作品を気に入ってくださって、こんな感じで、真鍮線で回りを作ってほしいということでした。
アンモナイトの作品はところどころ蔓が尖ったような形で終わりになっていて、こういうデザインすごく好きなんだんだけど、今回のものは引っかかってしまうかもしれないので、なるべくひっかかりがないようにまとめてほしいとのこと。
また、歯なので落とした時に壊れにくくするため、牙がむき出したままの状態ではなく、保護する意味でも緩くふんわり周りをワイヤーラッピングしてほしいというご希望でした。
デザイン的な要望は、普段はカジュアルにコードを通して使いたいけど、あまりハードな感じなると、牙というものに対して気持ちが悪いという印象を抱く人もいるので、あまり牙がむき出しの状態でなくてワイヤーで柔らかく見えるよう装飾して、カジュアルだけど、お出かけにおしゃれした時にもつけられるようなものがいいなということでした。

私は動物が好きなので、牙に対して気持ち悪いと考えたことなかったのですが、牙を気持ち悪いって思う人もいるのか・・・ってちょっとショックだったんですよね。
まぁ確かに動物が嫌いな人もいるので、そういう人にとっては気持ちが悪いものになっちゃうのかな。
でもあの可愛かったカリラが気持ち悪く思われてしまうなんて、可哀そうすぎる!
みんなが素敵だって思ってもらえるものを作ろうと強く思いました。

ここまで聞いて、まずワイヤーラッピングだけで仕上げていくには素材が柔らかい分破損する恐れがあるため、難しいというお話をしました。
そうすると一部彫金を取り入れていくことになるのですが、一部シルバーを使いたいとお伝えしました。
彫金の場合、真鍮よりシルバーの方が扱いやすいのと、シルバーと真鍮の色の両方があることで、いろんな洋服に合わせやすく、イヤリングの色もシルバーやゴールドなどどちらと合わせても着けやすくなるためです。

さぁ~ここまで決まったら、ちょっとづつワイヤーを這わせてみたりしてイメージを作っていこう!と牙を手に取ってみましたが、ワイヤーを這わせたら、傷がつくよね?
牙と同じ形の硬いものが欲しいけど、型の取り方なんて知らないし、どうしましょう。
と、苦肉の策で思いついたのが、粘土で作るということでした。
粘土といってもヒートクレイといって、温めると柔らかくなって、冷めると固まるという彫金道具の一つです。
これで似たような形を作って、それをもとにワイヤーを這わせてイメージを作っていきました。

デザインを考えながら、下処理としてもう一つやったことがあります。
牙の研磨です。
もともと依頼主の方が耐水ペーパーで磨こうと思って、磨き始めたそうなのですが、青い耐水ペーパーを使ったせいなのか、牙がどんどん青くなってしまったので、途中で怖くなって牙をやすりで削ったそうなのです。
そのためか牙の上から3分2くらいがざらざらの状態だったんです。
そこで、私の持っている紙やすりで粗いものから順に磨いてピカピカにしました。
依頼主の方もきっと本当はピカピカにしたかったんだと思います。
粗い傷があるときっとこれから汚れも目立ってくるでしょうから、磨いてみました。
これでワイヤーと合わせたときに牙も光りますので、ジュエリーっぽくなります。
ピカピカになった様子をご覧ください。

今回絶対含めないといけない条件は、しっかり固定で来ていて、牙をむき出しにしないけど、周りをこてこての装飾はせずやんわりと保護するように作ること。
これを満たすデザインを思いつくのに、いくつも作って壊して、作って壊し手を繰り返し10日ほどで、やっとこの形で行こうというのが決まりました。
まずは、すとんと落っこちてしまわぬように牙の下の支えから作ることにしました。

これは葉っぱをイメージしていてシルバーで作っています。
ワイヤーの先は尖らせて、葉っぱにくっつけているので引っかかることはありません。
ワイヤーの部分は真鍮です。
そしてここに牙がきちんと収まるかどうか確認します。
この時、この粘土の牙に傷などつかないか、緩すぎていないかなど確認しながら進めていきました。

思った通りの角度で傷もつかずに入るようになったところで、本物を入れてみます。

粘土は型を取ったわけではないので、やっぱり厚さや幅が少し違うんですよね。
ほんの少し粘土のほうが大きくなっていますので、最後はやっぱり本物を入れてフレームからどのくらい下に牙が出てくるのか確認しました。
やっぱり光沢がある方がきれいですよね。
今日はここまで。
明日は、完成した作品をお見せしますね~♪。

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